オリンピックの空手のルールはこれだ!日本に存在する空手のルールを紹介
日本で行われるオリンピックに空手が加わる可能性が高い。
また、この記事を読んでいる時点で正式な種目になっているかもしれない。
しかし、空手ほど、昔からこの日本にあるのに、流派が乱立して、
しかもルールが色々あって分かりにく競技は他にあるまい。
学校の体育で男子ならば高校の授業で柔道を習ったりするが、空手はない。
なので、日本人は空手について、知っている様で知らない人の方が多いのです。
今日は空手について、タップリと語りたいと思います。
東京オリンピックを前に空手のルールを整理しよう
空手とは?
空手とは、一対一の競技で、相手とパンチや蹴りで、
殴りあう武道である。
この写真を見たら、すでにオリンピックの競技であるテコンドーと何が違うのか?
と思ってしまいますよね。
テコンドーとの大きな違いは、テコンドーは手による、顔面攻撃が禁止されている。
蹴りは顔面に入れてもOkなのだ。
したがって、テコンドーは蹴りによる攻防がメインになっている。
しかし、元をたどれば、テコンドーの起源は日本の空手松濤館空手だ。
なにかとややこしいので、日本国内に存在する空手のルールを、
大きく分けて紹介したいと思います。
厳密に分ければもっと複雑になるのだが、特に大きく分けて分かりやすく解説する。
伝統派空手の寸止めルール
これは、昔からある日本の空手の競技のルールである。
寸止めルールはその名の通り、相手に当たる一歩手前で、
止めるルールだ。
したがって、相手に当てたら反則となる。
勿論途中で止めるのだから、相手にダメージはない。
それを審判が見極め、相手に有効な突きや蹴りが入ったと判断した時、
ポイントを得る事が出来るのだ。
そして、時間内戦い、最終的に多くのポイントを得た方が勝ちという競技である。
また、相手を倒して、突きを決めると、立って相手に決めるよりもポイントが高いなどという、ルールになっている。
このルールのメリットは、当てる寸前で止めるので、ゲーム感覚で試合を楽しむ事が出来る、
そして、顔面への突きや蹴りなど当てない達人同士の攻防が見られて楽しいのだ。
また、過激なKOシーンや、相手にダメージを与える残虐性が無いため、女性や子供が入って行きやすいのだ。
このルールを採用しているのは、全日本空手道連盟などである。
空手ルールその2「硬式空手」
ポイント制だが防具を付けて当ててもいい
先に紹介した寸止めルールから分派したのが、この硬式空手である。
この硬式空手は実際に相手に当てていいのだ。
その変わり、身体を守る為の防具を装着して、安全性を保っている。
しかし、防具を付けているとはいっても、実際に相手にパンチや蹴りが入るのだから、
攻撃をまともに食らってしまった場合、パンチで倒されるリスクもあるという競技である。
またこの硬式空手のルールは、寸止めの場合は、技が決まったと判断された場合、
直ぐに相手にポイントが入り、またお互いに構え合い、再び試合になるのだが、
硬式空手の場合は、すぐに審判が止める事がなく、
しばらく、審判はお互いの攻防を見守る、したがって相手に技が決まった後も、攻撃を出し、
連続攻撃を相手に仕掛ける事が出来る。
そして、相手に攻撃が決まった後も攻撃が続行され、その続行された攻撃もポイントになるのだ。
寸止め空手なら、一発相手に入ったと審判が判定した場合は、その攻防は一旦止められて、
相手に1ポイント入りました、で、また仕切り直して、試合再開である。
寸止めルールよりも、激しい攻防を見る事が出来るし、3本以上の技が入り、
なおかつ攻撃された側が相手に反撃が出来なかった場合は、攻撃者の一本勝ちとなる。
つまり、判定決着ではなく、KO決着となるのだ。
空手ルールその3「フルコンタクトルール」
このルールは顔面攻撃以外の攻撃を認めたルールである。
直接蹴ったり、殴ったりして良いというルールだ。
試合の流れは、ポイント制ではなく、判定かKO決着である。
相手を一撃でKOすると一本勝ち、相手を一時的にダウンさせると、技あり、
技ありを二つ取ると、合わせて一本勝ちとなるのだ。
このフルコンタクトルールは、顔面へのパンチこそ認めていないが、
まともに、蹴りが顔面に入れば、当然相手をKOする事も出来るし、
ボディーであれば、ガンガン殴ってもOKなのだ。
私も経験があるのだが、特に太ももへの蹴り、ローキックが、
蹴られたら、とにかく痛い!
痛みを伴う空手なのだ。
しかし、見ている方は、どちらが強いか分かりやすので、
エキサイティングである。
デメリットは、KOシーンなどがあるので、
苦手な人がいるのかもしれない。
このルールを採用しているのが、極真空手である。
空手ルールその4「新空手」
その新空手は、フルコンタクトルールに、ボクシングのグローブを付けて、
顔面へのパンチをも可能にした、ルールである。
これにより、フルコンタクトルールの顔面への打撃が出来ないじゃないか!
こんな競技が実戦と言えるのか?
といった、疑問を一気に解消したルールとなる。
しかし、グローブを付けて、パンチや蹴りを出し合う競技が既に存在する。
それは、キックボクシングである。
キックボクシングは、ボクシングに蹴りを加えたスポーツである。
ここで、空手とボクシングが、意外な場所でこんにちは!と出会ったという感じである。
当然、キックボクシングと似たような競技の為、今一つ普及する事なく、
一部のマニアックな所で開催されている。
今回紹介したのは、日本に存在する空手ルールの一部である。
厳密に言えば、もっと細かく分ける事が出来るのだ。
しかし、ここではその細かい違いは割愛させていただきます。
その理由はそれぞれの流派のこだわりや、違いを語っていたら、
きりが無いからである。
見ている空手を知らない人からしたら、どうでもいい事なのかもしれないし、
ますます、空手って何なの?
なんて思われかねないからだ。
空手とは、本来己の体を鍛錬(たんれん)で、鋼(はがね)の様に鍛えあげ、
拳やスネ、腕などを固い巻き藁(まきわら)や木などに、何度も打ち付け、
強化して、相手の急所に打撃を加えて倒す武道である。
その技には、貫手(ぬきて)といって、指先を相手のノドに付きたてる技や、
目への攻撃、酷いのになると、相手の喉仏を粉砕する技まであるのだ。
やられたら、死んじゃいますね・・
人前で試合を見せる競技にするのが、無理があるのかもしれません。
オリンピックはどのルールになるのか?
空手がオリンピックに採用されるとなると、ルールは間違いなく、
一番最初に紹介した寸止めルールのポイント制になるでしょう。
これは、オリンピックのIOCが安全性を重視しているからなのだ。
以前空手のオリンピック採用を強く希望する、極真空手の大山倍達が、
IOCの会長に働きかけた事があったのだが、フルコンタクトルールは、
採用される事がなかった。
かなり水面下で交渉した様だがダメだった。
また、日本国内のフルコンタクトルールの主だった組織が、
寸止めルールを採用している、全空連を応援するという動きを示して、
記者会見も行っている。
これは、空手がオリンピック種目に選ばれる為に、各団体が手を組んで行きましょうという、
流れが来ているという事である。
お互いにいがみあっていたら、空手がオリンピックに選ばれるチャンスは無いと思っているからなのだ。
確かに、空手は柔道と違いそのルールが明確になっていない為、
日陰の存在だったのだ。
それが、今回のオリンピック日本開催という事で、一躍メジャーになるチャンスなのだ。
いがみあっている場合じゃない、仲良くしましょうという以前では考えられない、
時代になってきたのだ。
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