日本で一番悪い奴ら原作「恥さらし」の「稲葉事件」は闇深

「日本で一番悪い奴ら」は綾野剛主演の映画で、公開は2016年6月、監督は白石和彌(しらいしかずや)の作品です。
この映画は実際に起こった事件「稲葉事件」を元に作られています。

実話を元にして作られている実録映画という事ですね。

稲葉事件は現役の警察官稲葉元警部(北海道警察-銃器対策課-元警部)が2007年に逮捕された「日本警察史上最大の不祥事」と呼ばれている事件です。

出典:goo.gl/t16CTh

現役警察官が覚せい剤を使っていた。また家宅捜査すると、拳銃が出てきたので逮捕されたのですが、稲葉氏が単独で行なった犯罪だと思われたのですが、逮捕された稲葉氏は裁判で、警察が組織ぐるみで行なった違法な捜査や、兎に角めちゃくちゃな組織の体質が問題の本質である事を、当時の上司など実名をあげて告発しました。

そして服役を終えて釈放された稲葉は「恥さらし」という書籍でさらに詳しく自分自身の犯罪と警察組織の実態を発表しました。

今日はこの事件についてかなり詳しく書きます。この映画をまだ見ていない人には、ネタバレとなりますので、ご注意ください。

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日本で一番悪いやつらの原作「恥さらし」とは?

「恥さらし」で暴露された稲葉氏ら警察が行なった悪事

■自分たちの拳銃の押収は殆どが自作自演で、警察が犯罪者に依頼して拳銃を用意させている。そして、コインロッカーなどに、入れてもらいそれを見つける、これを「首なし拳銃」という。

そもそも、拳銃なんて、そうそう見つかる物ではないが、ノルマがあるので、この様な自作自演を行わないといけない。

また、警察には、「銃刀法の自首減免規定」というものがあり、拳銃を持って自首してきた者は、その刑を減刑または免除するという制度があるので、親しい犯罪者に拳銃を渡して自首を頼む事も日常茶飯事。

■架空の領収書を書いて、経費として計上して裏金を部署でプールする。そのお金は刑事達には還元されず、捜査で活用するスパイとの接触にかかる経費は現場の刑事の自費。

※裏金については2004年に元釧路方面本部長だった人が裏金の事を記者会見で暴露、この流れから他の元警察官だった人も裏金について告発、8月に興部警察署長が「裏金を私的流用した」という遺書を残し自殺、北見方面本部警備課でも裏金が発覚して、3235人が処分され、2億5600万円が道に返還された。※北海道警裏金事件より

■警察側からスパイ(警察ではエスと呼んでいる)を使い、犯罪者に拳銃を売ってくれと犯罪者に拳銃売買をもちかけ犯罪を誘発する違法のおとり捜査を行なっている。
※犯人側から違法な拳銃の売り込みがあった場合のみ合法でこちらから、犯罪者に働きかけてはいけない。

例として、稲葉氏はパキスタン人のエスを使いロシア船の船員に拳銃を持ってきたら、中古車と交換してやると持ちかけ、ロシア人は父の遺品の拳銃をパキスタン人に渡した、そして、パキスタン人はいなかった事にして、ロシア人のみを逮捕した。

捕まったロシア人の裁判では、パキスタン人の事が明るみになれば、違法捜査がバレるので、徹底的にすっとぼけた。

■拳銃200丁と中国人の身柄を出すという条件(拳銃だけじゃなくて、身柄付きの美味しい条件しかも200丁)で、普段から付き合いのあるエスの覚せい剤130kg大麻2トンの密輸の手助けをした。
※密輸は警察が税関に働きかけ検査されない様にして日本に持ち込まれた。
その後、税関に花を持たせる為に、何もないロシアの貨物船に拳銃20丁を仕込み、税関に発見させた自作自演を演出した。(この件に関して税関は否定)

出典:goo.gl/DzkqV7

稲葉氏が単独で行なった事

■スパイを養う為に必要な金を稼ぐ為に、麻薬の密売を行う。警察官の身分でありながら、ヤクザから麻薬を買い付け、パトカーで運搬し、自分のエスに密売させていた。自宅と別にマンションを借りて、そこに置いていた。

■拳銃もいつでも出せる様にマンションに隠していた。

■ある事がきっかけで仕事のストレスから、その麻薬を自分で使う様になった。

もうむちゃくちゃで、訳がわからなくなっています。

稲葉事件が何故起こったのか?

稲葉氏とは?

北海道警察の柔道師範との縁で、稲葉氏は北海道警察に入り、柔道特別訓練隊となったが、刑事になりたいという思いが以前からあった。この柔道特別訓練隊は、朝から晩まで柔道だけをやっている部署。

ただ、柔道だけで永久に職が約束されるわけではなく、師範になれるのは、一人だけで30代半ばになれば、他の部署に配属されるが、柔道しかやってない人達だから、現場に出たら素人同然で役に立たない。そんな事から稲葉氏は早く刑事になりたいという気持ちになった。

稲葉は引きとめられたが、腰を悪くした事にして、刑事になった。
やっとやりたかった刑事の仕事ができると稲葉氏は燃えた、誰よりも早く出てきて、仕事を覚えた。

そんな時ある先輩にこんな事を言われる

「刑事はエスを作って独自の情報源を持たなければいけない」

エスとはスパイの事

暴力団関係者などと親しく付き合い、犯罪者の情報を収集する。このエスを手なずける為に、多少のSの犯罪には目をつぶり、飲み食いさせ、手なずける。時には信頼関係を築く為、自分も一緒に犯罪を犯す事さえある。

稲葉氏が勤務していた部署では、エスを名簿で管理していて、まさに組織ぐるみでエスを活用していた。稲葉は先輩の言った事を忠実に守り、身銭を切ってエスに接触して、てなずけていった。信頼関係が出来ると、色んな情報が入ってきたり、捜査で協力をしてもらえる。

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刑事にもノルマあある

実は公務員の刑事にもノルマがあるそうで、覚せい剤所持の逮捕は10点とか、覚せい剤の量が多ければ、プラス5点、空き巣は何点とか、犯罪の内容に応じて点数が決められていて、1ヶ月30点以上取らないと、超過勤務手当が貰えない(残業代)という罰則があり、当然そのノルマをクリアする為に、皆必死で犯人を検挙していたそうです。

この辺りは、普通の会社とそれ程変わらない・・・いや、普通の会社より厳しい、ブラックさかもしれません。当然実績をたくさん上げる者は組織で優遇され、出世していく、

当然現場の刑事だけではなく、それを管理する幹部にもノルマがあり、また、その警察署にも、ノルマが存在する。稲葉氏は自身のノルマだけではなく、警察署全体のノルマを達成させる為に、自作自演の首なし拳銃をどんどん計上した。

私が以前いた営業の世界みたいなものかもしれません。トップセールスマンが、周りから期待され、尊敬され、それが励みになり、更に頑張るという構造です。
そして、その実績を稲葉氏は何度も表彰されたそうです。

事件の発覚

稲葉氏はある事がきっかけで、警察組織の中で干されてしまいます。散々今まで自分を利用しておいて、やばくなったら、切り捨てるという警察の体質に大きな不信感と絶望感を持ち遂に、覚せい剤を使ってしまいます。

また、特に親しくしていた、エスのW氏(後に自殺)にも裏切られ、覚せい剤を使っている事を密告されてしまったのです。

この稲葉事件は、警察の組織の体質そのものが起こした事件と言えるのではないでしょうか。

何が正義で何が悪か?

稲葉氏は刑事の時、感覚が完全に麻痺していたといいます。違法な捜査でも、全て上司に報告していて、上司の方が容認をしている。上司がオッケーなら当然ノルマを達成する為であれば、何をやってもいいという感覚になるのは当然です。

そして、その上司もまた、その上の上司から厳しいノルマを課せられているという悪循環で、人というよりシステムに問題があるんじゃないか?と素人ながらに思ってしまいます。

という事で最近怖い犯罪が増えているので、警察には頑張って貰いたいので、この様な事が起こらない組織へと改革して欲しいと思います。

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