後の先(ごのせん)相撲の神様双葉山が体現した武道の極意とは?

後の先(ごのせん)という言葉がテレビを見ていたら出て来たので、

今日は後の先について書きたいと思います。

 

何のテレビを見ていたかというと、

いわゆる日馬富士の暴行問題を扱ったワイドショーです。

 

この事件は横綱日馬富士に貴乃花部屋の貴ノ岩が暴行された事件なのですが、

 

今ワイドショーでは、

横綱白鵬と貴乃花親方の確執という話にテーマが変わって来ています。

 

そんな中で、横綱白鵬が横綱になった当初、

ある時期から、相撲の内容や態度が大きく変わったという指摘がなされて、

今は白鵬の横綱らしくない相撲内容、張り手や危険なカチ上げ、

ダメ押し、変化など酷い相撲が目立つが、

当初は相撲の神様双葉山が実践していた、

 

「後の先」を目指して相撲を取っていたというが、

途中から白鵬は後の先の相撲を辞めてしまったとの事なのです。

 

ニュースで記事にもなっていました。

 

以下サンスポからの引用

2016.6.29 05:02
白鵬、“究極の立ち合い”『後の先』やめ「『先の先』でいこうかな」

大相撲の横綱白鵬(31)は28日、7月の名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)に向け、名古屋市内の市長公舎へ河村たかし市長(67)を表敬訪問した。同場所で史上3人目の通算1000勝がかかる横綱は、目指していた大横綱双葉山が完成させた立ち合い「後の先(ごのせん)」への取り組みを断念したことを明かした。

「ひとつ間違えると、(土俵外に)もっていかれる。もうやめました」

引用:goo.gl/mAU4CY

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後の先、相撲の神様双葉山の立会

後の先という言葉は剣道や空手などの武道の世界、

或いは、囲碁や将棋の世界で使われる言葉です。

 

双葉山は自分の著書の中で後の先という言葉は使っておらず、

「受けて立つ」と言っています。

 

相手が先に動く、そして双葉山が迎え撃つという形になります。

 

なので、必ず先に仕掛けるのが、

双葉山の対戦相手という事になります。

 

先に相手が仕掛けたにもかかわらず、

相手にそのまま攻め込まれるのではなく、

先手を取って来た相手を制して勝ってしまうという、

まさに横綱の相撲という感じです。

 

横綱白鵬は双葉山の立ち合いについてこう語っています。

フワッ とした立ち合い、気負いがほとんど 感じられないのだ。 決して力むことなく、 適度に力が抜けている。どっしりとした立ち合いから、 両手をきちんとついて、相手の攻めを受けている。 普通の力士なら、そのまま攻め込まれてしまうところである。 ところが、 双葉山関は相手の動きを制して、 先手 をとってしっかりと十分な体勢に持ち込んで勝ってしまうのだ。

出典:白鵬翔「勝ち抜く力」

著者:白鵬翔 発行:悟空出版

より引用

白鵬は当初この双葉山のビデオを何回も見て、

その動きを研究して、稽古に取り入れていた。

 

しかし、冒頭でお伝えした様に、この双葉山の受けて立つという、

後の先を極める事は諦めてしまった。

双葉山が語った後の先

出典:goo.gl/4q6G7B

双葉山はこの「後の先」の立ち合いについて、

どの様に考えていたのでしょうか。

 

双葉山の著書「相撲求道録」を見てみますと、

双葉山はこの著書の中で、後の先の立ち合いについて、

受けて立つ立ち合い、相手とのあいだによほどの力の差がなければ、

その様な立会いは出来ない、自分の場合は、

相手との力の差があったわけではないと言ったうえで、

 

相手の声で立つ、相手が立てば立つのですが、

しかし、立った瞬間もう自分は十分な体勢になっている。

 

これは、自分の心がけ次第で出来る事で、実力の差ではない。

 

土俵に上がった瞬間に、あらゆる機会を逸しない様に、

もう既に勝負が始まっているという気持ちでのぞむ事が大切だと語っている。

 

通常相撲は、土俵に上がった場合、

相手と呼吸を合わせる為に、仕切りを行う。

 

双葉山は土俵に上がった瞬間に臨戦体勢になっているというのです。

 

双葉山の相撲について、ウィキペディアにも、この様に記載されています。

どんな相手に対しても同じような態度で臨んだ。力水は一回しかつけず、自ら待ったをかけることはなく、相手力士がかけ声を発すれば制限時間前であっても、一回の仕切りでさえ受けて立った(一回の仕切りで立った取組でも勝利している)。後述のように双葉山が土俵上での短い仕切り時間に無駄な動作を嫌って極限まで集中力を高めたためだが、こうした土俵態度も今日まで力士の模範とされている。

引用元:goo.gl/7prbnE

宮本武蔵の後の先

相撲の神様と言えば双葉山ですが、

武道の神様、宮本武蔵も後の先について、

その著書「五輪書」に書いています。

 

どの様に書かれているかと言いますと。

第二、待(たい)の先。

敵我方へかゝりくる時、
少もかまはず、よはきやうにミせて、
敵ちかくなつて、づんと強くはなれて、
とびつくやうにミせて、敵のたるミを見て、
直に強く勝事。これ一つの先。
又、敵かゝりくるとき、
我もなを強くなつて出るとき、
敵のかゝる拍子の替る間をうけ、
其まゝ勝を得事。是、待の先の理也。

出典:宮本武蔵著 「五輪書」火の巻 三つの先(せん)

宮本武蔵は後の先の事を待(たい)の先と書いている。

 

今の言葉に訳してみると、

敵が自分に仕掛けてくる時、それには、少しも構わず、

こちらが弱い様に見せかけて、敵が近づいたら、

「ヅン」と体勢を変え、強く飛びつく様に見せ、

敵の弛(たる)みを見て、一気に強く出て勝つ、

これが1つ。そして、もう1つは、敵が仕掛けてきたらこちらも、

敵よりも強く速く出て、敵の攻撃のタイミングの変化する瞬間をとらえて、すぐさま勝ちを得る。

 

というのが、宮本武蔵の後の先です。

宮本武蔵は、自分から先に相手にかかっていくのが、

懸の先(けんのせん)

相手が先に自分にかかってくるのが、

待の先(たいのせん)※後の先の事

こちらからも動くし、相手もかかってくる仕掛け合いの事を、

躰々の先(たいたいのせん)

と3つの先があると五輪書で語っています。

最後に

という事で、今日は後の先についてのお話でした。

大横綱双葉山は、土俵に上がった瞬間から、

集中力MAXで、既に戦いの準備が出来ている状態だったんですね。

 

例え相手より後に立ったとしても、

立った瞬間に必勝の体勢になっているので、

勝つという事ですかね。

 

相撲を極めた、名人という感じがしますね。

 

白鵬もエルボーや張り手はやめて、

もう一度後の先の相撲を目指して欲しいですね。

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